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「名前は知っているけれど、説明できない!」助産師が根拠を持って伝える除菌ブランド「Milton CP」の秘密とは?
赤ちゃんが無事に生まれ、退院して自宅での生活が始まった産後の時期。 ママたちから「哺乳びんの除菌って、いろいろな方法があるけれどどれがいいの?」と聞かれたとき、みなさんは根拠を持って答えられていますか。
「ミルトン」の製品名はほとんどの助産師が知っていますが、どんなものを、どこまで除菌できるのか、なぜ洗い流さなくてよいのか、といった具体的な仕組みまでを、ママに自信を持って説明できる人は意外と少ないのが現状です。
今回は、錠剤タイプの「Milton CP」を販売する杏林製薬株式会社の佐藤さんにお話を伺いました。 じょさんしnavi編集長の柏村と、助産師歴20年のメンバーが、ママの負担を和らげながらも、根拠のある衛生管理でママの毎日の安心を支えるための除菌知識をわかりやすくご紹介します。60年以上にわたり産婦人科とともに歩んできたブランドだからこそ、その根拠を知っておくことは現場の力になります。本記事を読めば、ママから「すすがなくて大丈夫?」「レンジとどちらがいいの?」と聞かれたときに根拠をもって答えるための知識と、現場で使える声かけ例が手に入ります。

1943年の英国での集団下痢症がブランドの原点
取材の冒頭、私たちはミルトンの歴史について伺いました。
ミルトンの日本での発売は1963年ですが、ブランドのスタートはさらに遡り、1943年のイギリスにありました。 当時、英国の病院で新生児下痢症が集団発生したことをきっかけに、その原因を突き止めるために、ミルトン・カンパニー研究所で大がかりな調査が行われました。
調査の結果、哺乳びんは使用後に丁寧に洗浄しないとミルクの被膜が残り、煮沸によって固まった被膜が細菌の増殖場所になることが判明したのです。 ミルクを作る回数が増えるほど被膜は厚くなり、さらに洗い流しにくくなってしまうことも明らかになりました。
こうした問題を解決するために、加熱せずに哺乳びんや乳首を衛生的に保つ簡単な方法として開発されたのが、ミルトン消毒法でした。 日本では産婦人科でのプロモーションとともに広がり、その後も研究と改良を重ねながら、小さないのちを見守り続けてきたMiltonブランドには、60年以上の歴史があります。

医薬品から雑貨品へ。Milton CPが生まれた理由
かつてミルトンの錠剤タイプは医薬品として販売されていました。
しかし、時代の流れとともに出産準備品をベビー専門店で購入するママが増えたものの、医薬品は薬局でしか販売できません。 そこで、より多くのママが手軽に購入できるようにと、医薬品から雑貨品へと切り替え、ベビー専門店の売場で出産準備品として購入できるようにしたのが、錠剤タイプのMilton CPでした。
Milton CPの「CP」とは、「チャイルドプルーフ(Child Proof)」の略称です。 これは、乳幼児の手では切りにくい頑丈なシート包装を採用しており、子どもの誤飲事故を防ぐための細やかな工夫が施されています。
液体タイプは、使用するたびに計量が必要です。病院や施設のように多くの哺乳びんを扱う現場では、毎回計る手間がかかりますし、濃度にばらつきが生じてしまうこともあります。一方、錠剤タイプのMilton CPは、4リットルの水に2錠を入れるだけで調製が完了します。 濃すぎても薄すぎても十分な除菌ができないため、計量の手間なく、簡単かつ適切に調製できる錠剤のメリットは非常に大きいと佐藤さんは語ります。

煮沸やスチームの熱にも耐える「芽胞形成菌※」とは
※生物学的な分類名
近年、手軽さから電子レンジ式やスチーム除菌器などのスチームによる熱を使った除菌方法を選ぶママが増えています。 しかし、熱だけでは除菌しきれない「芽胞(がほう)形成菌」が存在します。
芽胞とは、菌が熱や乾燥に耐えるために作る、かたい殻のような構造のことで、休眠状態の種に例えられます。 この殻をかぶった状態になると、100度の高温でも耐えることができ、煮沸やスチームなどの熱を使った除菌方法では取りきれないことがあります。杏林製薬によると、Milton CPはこうした芽胞形成菌も除菌できることが特長で、哺乳びんの消毒法を検討した論文など、複数の文献にも掲載されているそうです。

芽胞を作る菌には、セレウス菌やボツリヌス菌などがあります。これらは土壌や水の中だけでなく、お肉や魚介類など、私たちの身近な環境に幅広く存在しているものです。 加熱調理したカレーやシチューを室温で長時間放置したり、作り置きしたチャーハンやピラフ、焼きそば、スパゲティで食中毒が起きるのも、この芽胞が原因です。
また、1歳未満の乳児にハチミツを与えてはいけない理由として知られるボツリヌス菌も、ハチミツに混入しているリスクがある芽胞形成菌の一つです。 大人は体が持っているバリアや免疫機能によって影響を受けにくいですが、赤ちゃんは大人と比べて、病原体から体を守る免疫機能がまだ十分に発達していません。
文献報告によると、赤ちゃんの抵抗力は1歳になっても大人の半分以下とされています。さらに、ママから譲り受けた移行抗体も生後数ヶ月を過ぎると徐々に低下していきます。 だからこそ、赤ちゃんの口に触れるものには、熱に強い芽胞形成菌への対策にもなるMilton CPという選択肢が大きな意味を持つのです。
すすぐ必要がない科学的な理由とよくある誤解
産後ケアの現場でママからよく聞かれるのが、「除菌したあと、薬液を水ですすがなくていいの?」という不安です。
実は、Milton CPの調製液は、ミルクなどのタンパク質と触れることで、無害な食塩の成分に分解される仕組みになっています。 そのため、除菌後に水ですすぐ必要はありません。産後ケアの訪問では、薬液から取り出したあとに水ですすがないといけないと思っているママに出会うことも少なくありません。大きな病院ほど、入院中の哺乳びんの洗浄・除菌をスタッフがまとめて行うため、ママ自身が一度も除菌を経験しないまま退院することもあります。退院指導の場面で、家庭での手順をあらためて伝えておきたいですね。
また、使用する際に必ず伝えたいポイントとして、以下の注意点があります。
- 除菌液は24時間ごとに新しく作り直すこと(有効塩素濃度の低下を防ぐため)
- 直射日光の当たらない場所で除菌すること(有効塩素濃度の低下を防ぐため)
- 除菌前に哺乳びんなどの汚れをしっかりと洗い落とすこと
- 除菌するものが完全に調製液に浸かるように落とし蓋を使用すること
これらをしっかりと守ることで、Milton CP本来の適切な除菌効果が発揮されます。
哺乳びんのあとも。長く暮らしに寄り添うお助けアイテムとして
「完母だから、ミルトンは関係ない」と思っているママもいらっしゃるかもしれません。
しかし、Milton CPで除菌できるのは哺乳びんだけではありません。ママが搾乳した母乳を赤ちゃんに届けるための搾乳器や乳頭保護器をはじめ、おしゃぶり、歯固め、離乳食用食器、ストローマグまで、成長に合わせてさまざまなベビーグッズをまとめて除菌できます。
赤ちゃんの成長とともに口に触れるものは増えていきます。 離乳食期に入って食器の衛生管理が必要になったタイミングで、初めてMilton CPを手にするご家庭もあり、実は長く暮らしに寄り添ってくれるお助けアイテムなのです。
【現場で使える】ママの疑問や困りごとに寄り添う声かけ
助産師が特定の商品を一方的に勧めるのではなく、ママの困りごとに合わせて、選択肢のひとつとして情報を伝えることが大切です。 ここでは、助産師としての専門的な関わりを特に活かせる、代表的な2つの場面に絞って紹介します。
場面①:「水ですすがなくて本当に大丈夫?」と聞かれたとき(退院指導・産後ケア)
ママが、目に見えない成分に対して不安を抱いている場面です。なぜすすぐ必要がないのか、化学的な理由をかみ砕いて説明し、寄り添いながら安心感を届けることが大切です。
- 助産師としての関わり方のポイント
薬液のにおいや成分を心配するママの気持ちを否定せず、受け止めます。そのうえで、「すすがなくても、ミルクなどのタンパク質と触れることで食塩の成分に分解されるため、そのまま調乳が可能」であることを伝え、においが気になる場合には、水道水ですすいで問題ないことも併せて伝えます。
- 現場で使える声かけ例
「除菌した液がついたままだと、赤ちゃんのお口に入って大丈夫かなと心配になりますよね。 実はこの調製液は、ミルクのタンパク質と合わさることで、無害な食塩に変わる仕組みになっているのです。 だから、除菌したあとに水ですすぐ必要はありませんよ。 もし、においが気になる場合には水道水でかるくすすいで問題ないですよ。」
場面②:熱を使う除菌方法とどちらが良いか迷っているとき(出産準備〜退院指導)
電子レンジ式やスチーム除菌器などを検討している、あるいは活用しているママから、選び方について相談された場面です。
- 助産師としての関わり方のポイント
手軽さを求めるママの選択を否定するのではなく、それぞれの特徴を丁寧に説明します。100度の熱(煮沸)にも耐える強さを持つ菌(芽胞形成菌)があるという事実を、ハチミツの例などを交えてわかりやすく説明し、浸けておくだけで除菌ができるMilton CPという選択肢を提示します。
- 現場で使える声かけ例
「レンジでチンする方法も、手軽で便利ですよね。 ただ、菌の中には「熱に強い殻をかぶって眠っている菌(芽胞形成菌)」がいて、100度の熱でも死なないことがあるんです。 1歳未満の赤ちゃんにハチミツを与えてはいけないのも、その熱に強い菌がいるからです。 Milton CPは、そうした熱に強い菌への対策としてもお使いいただけます。 おしゃぶりや離乳食の食器までまとめてつけておくだけでいいので、やけどの心配のある熱を使わずに除菌できることも嬉しいポイントですね。」 ママが少しでも心と時間にゆとりを持つための頼れる手札の一つとして紹介できます。
まとめ:正しい知識を胸に、ママと笑顔を分け合う
除菌は赤ちゃんを守る衛生管理のひとつであり、これさえ行えば安心というものではありません。今回の取材で、企画推進担当の佐藤さんは「完璧にやろうとするとママの負担になります。必要な衛生管理を正しく知ってもらい、無理なく続けられる方法を一緒に考えてほしい」と話されていました。
数ある製品が生まれては消えていく中で、ミルトンは60年以上にわたり、赤ちゃんとその家族の衛生管理を支えてきました。
私たち助産師が「何となく知っている」から一歩踏み出し、科学的な根拠や芽胞形成菌の知識をしっかりと持っておくことは、ママに渡せる安心の選択肢を増やすことにつながります。 ママが一人で抱え込まず、少しでも心と時間にゆとりを持って育児を楽しめるよう、Milton CPという頼れるアイテムをやさしく提案していきましょう。
【Milton CPをもっと知りたい・購入したい方へ】
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