
「赤ちゃんの掛け物は何を用意すれば?」「バスタオルとガーゼケットと何が違うの?」と聞かれたとき、どう答えていますか?かつて奈良の特産であった「蚊帳(かや)」の生地から生まれた中川政七商店「かや織ケット」を例に、素材と作り方の違い、お手入れのポイント、現場で使える指導トークをご紹介します。
「入院準備で、赤ちゃんの掛け物は何を用意すればいいですか?」
妊婦健診や両親学級で、こんな質問を受けることはありませんか?続けて「ガーゼケットって、どれも同じですか?」と聞かれることもありますよね。
今はネットで買い物をするのが当たり前の時代。同じ「ガーゼ」なら、写真と価格だけで比べられてしまいがちです。けれど、生地の質や洗い重ねるうちの変化は、使ってみて初めて分かるもの。言葉で説明する材料が見つけにくい領域ではないでしょうか。
そこで今回は、かつて蚊帳(かや)に使われていた生地を今の暮らしに合う形にした、中川政七商店の「かや織ケット」を取材しました。社内の愛用者を代表して、商品デザイナーで2児の母である山口さんにお話を伺いました。
本記事を読めば、素材と作り方の違い、ママの手間に寄り添うという視点、そしてそのまま使える「指導トーク」が手に入ります!
奈良は、かつて蚊帳の一大産地でした。その蚊帳に使われていた「かや織」の生地を、ふきんに転用したのが中川政七商店のかや織の始まりです。2枚重ねの「花ふきん」は、30年以上続くロングセラーになっています。
「かや織」の特徴は、目が粗いこと。蚊は通さないけれど、風は通します。綿100%で吸水性がよく、乾きやすい。耐久性があり、使うほどにやわらかく肌になじんでいきます。

―かや織を、ベビーの商品に広げたのはなぜですか?
「30年以上前から、かや織の生地は扱っていました。当時はストールなど、大人向けの商品が多かったんです。生地がとてもいいので、若い世代にも使ってもらいたいという思いが社内にあり、赤ちゃんや子どもへと幅を広げる中で生まれたのだと思います」(中川政七商店 山口さん)
取材では、長く使い込んだ「花ふきん」を触らせていただきました。ふんわりとやわらかく、思わず手を離したくなくなる手ざわりです!
―使うほどやわらかくなるのは、どういう仕組みなのですか?
「縫製のために、製造工程で糊付けをしているんです。最初はパリパリですが、洗うほどに糊が落ちて、やわらかくなっていきます。赤ちゃんの商品は、最初から肌触りがいいように糊を落とした状態で販売しています」(中川政七商店 山口さん)
お手入れで気をつけたい点も伺いました。
手ざわりを整えようと柔軟剤を使いたくなるママもいるかもしれませんが、持ち味の吸水性を保つには、使わないのがポイントです。
―一般的なガーゼケットとは、どこが違うのでしょうか?
「綿100%や目が粗いことは、一般的なガーゼの特徴だと思います。一番の違いは、ちゃんと本物のものづくりであること。国産で、人の手仕事が入って作られているところです」(中川政七商店 山口さん)
たとえば「花ふきん」は、生地を作る工場、縫製する工場、糊落としをする工場がそれぞれ別。機械も使いますが、人が毎日機械の調子を確認しながら進めているそうです。「かや織ケット」も同じように、たくさんの人の手を経て届けられています。
中川政七商店が掲げるビジョンは「日本の工芸を元気にする!」。日本の工芸が100年先にも残り続けるよう、産地の技術や伝統を生かし、今の暮らしに合う形にアップデートして、ものづくりを続けています。「かや織ケット」も、蚊帳に使われていた生地の特性を活かした商品です。

今回の取材で、中川政七商店のみなさんが最も伝えてほしいと話されたのが、この点です。
山口さんは、お子さんが生まれてから保育園を卒園するまで、買い足しをしながら「かや織ケット」を使い続けてきました。
「赤ちゃんって本当によく汚れますよね。特にシーツは、吐き戻しなどで1日に何回も汚れる。少し汚れただけでも洗いたくなるけれど、厚いバスタオルだと何枚も必要だし、手洗いすると絞るのが大変で。『かや織ケット』は薄いのでコンパクトに絞れて、女性の力でも楽。夏場ならすぐに乾くので、ローテーションが回るんです」(中川政七商店 山口さん)
私たち助産師は、ママに「こまめに替えてあげてね」と伝えることがあります。けれどその一言の先では、1日に何度も洗って、絞って、干す作業が生まれています。清潔を保とうと頑張るママほど、その負担を一人で抱えがちです。
私たち助産師が学ぶ「ミルクピッチャー理論」では、ママ自身が周りから愛情や支えを注がれてこそ、赤ちゃんに愛情を注げると考えます。洗濯が少し楽になることも、ママの心の余裕につながる小さな支えではないでしょうか。
「かや織ケット」は、成長に合わせて使い方が変わっていくのも特徴です。山口さんが実際に使ってきた場面を伺えました。
赤ちゃんが使わなくなったあとも、バスタオルなどとして、大人も暮らしの中で使えるそうです。長く大切に使えることも、選ばれている理由の一つですね!
「助産師さんがおすすめする出産祝いって、何ですか?」
臨床の現場では、こんな質問をいただいたことがあります。実際、ママやそのご友人から出産祝いの相談を受ける助産師は少なくありません。
そんなとき私たちがおすすめするのは、「赤ちゃんに優しく、お母さんのお世話の負担を減らしてくれる、長く使えるもの」です。その条件にぴったりなのが、この「かや織ケット」です。
実際に使用した方から最も多く寄せられるのは、「やわらかい」「肌触りがいい」という声。淡い色合いで贈る相手を選ばないことも、贈りやすさにつながっています。贈る側には選びやすく、受け取る側には長く使えて、お世話の手間を減らしてくれる。その両方がそろっているのが、この一枚の特徴です。
「自分が担当する商品は、できるだけ長く愛される商品になってほしい。時代に関わらず愛される愛らしさや使い勝手の良さが体現されているかを、常に考えています」と話します。
根底にあるのは、「本物を、できるだけ小さいうちから使ってほしい」という思い。赤ちゃんの商品は、日本のものづくりを暮らしに取り入れてもらう入り口でもあるのです。

「赤ちゃんって、吐き戻しなどでシーツや掛け物が1日に何度も汚れることがあるんです。だから掛け物を選ぶときは、ふかふか感だけでなく、洗いやすさや乾きやすさも見ておくと、毎日の洗い替えやお手入れの負担が軽くなりますよ。たとえば薄手のガーゼやかや織りの生地は、絞りやすくて乾きやすいので、洗い替えが回しやすいんです。お家での洗濯のしかたに合うものを、一緒に考えてみませんか?」
「ガーゼって、どれも同じに見えますよね。でも、作られ方によって手ざわりや、洗ったあとの変化が違ってくるんです。たとえば奈良の蚊帳の生地から生まれたかや織は、風は通すけれど蚊は通さない目の粗い織りで、洗うほどやわらかくなっていくそうですよ。柔軟剤は使わないなど、お手入れのしかたも含めて、ご自身の暮らしに合うものを選んでみてくださいね」
「出産祝いなら、受け取ったママのお世話が少し楽になるものも喜ばれると思いますよ。たとえば薄くて乾きやすい掛け物は、洗い替えがいくつあっても助かりますし、おくるみやお昼寝のシーツ、保育園のお昼寝グッズと、成長に合わせて使い方も変わっていきます。淡い色なら相手を選ばず贈りやすいですよね。贈る相手の暮らしを思い浮かべながら、選んでみてはいかがでしょう?」
どのトークも、特定の商品を勧めるためではなく、「何を基準に選べばいいか」というものさしをママに手渡すことを意図しています。
「かや織ケット」は、使えば子育てがすべて楽になる魔法のアイテムではありません。目が粗いぶん引っかけには気をつけたいですし、柔軟剤を使わないなど、素材の良さを保つため、いくつかお手入れのコツもあります。
それでも、薄くて絞りやすく、すぐ乾くという性質は、何度も洗濯を繰り返す時期のママの助けになり得ます。単なる掛け物ではなく、ママの手間に寄り添う道具として見ると、選ぶ基準も変わってきますね。
私たち助産師の一言は、ママの選択を左右します。「どれも同じ」でも「これが一番」でもなく、素材と作り方の違いを根拠を持って伝えられれば、ママは自分の暮らしに合うものを選べるはずです。
掛け物を聞かれたときの引き出しに、ぜひ加えておいてください!目の前のママと赤ちゃんの暮らしを思い浮かべ、そのご家庭に合った選択肢を手渡すこと。それこそが、私たち助産師の役割です!
社内にも愛用者が多く、山口さん自身が子育ての中で使い続けてきた「かや織ケット」。やわらかな肌触りと、洗い替えのしやすさを知りたい方は、ぜひ公式オンラインショップをチェックしてみてください。




