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転職・就活
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2024

助産師の就職先見るべきポイント/学生が見落としがちな注意点を解説

  • 新卒
  • 病院の選び方
  • 助産師の進路
SUMMARY
この記事でわかること
助産師として長く活躍し続けるためには、自分に合った職場選びがとても重要です。 今回の記事では、就職活動を行う際に参考にしてほしい視点を紹介していきます。

皆さんは助産師として「やりたいこと」が明確に思い浮かびますか?

助産師を目指したきっかけも助産師としてのビジョンも人それぞれかと思います。どういった視点で就職活動を行うかも大切ですが、まず助産師はどのようなことができるのか、その中で自分が最もやりたいことは何かに目を向け、考えてみましょう。


個々の妊婦さんへの寄り添い

個別的なケアの実践

妊娠、出産、産後のそれぞれの段階で、一人ひとりの妊婦さんの状況やニーズに合わせたケアを提供したいと考えている方も多いでしょう。
これは、単に医学的なケアだけでなく、精神的なサポートや生活上のアドバイスなども含みます。例えば、不安や悩みを丁寧に聞き取り、情報提供を行ったり、適切な専門機関へつなぐことなどが含まれます。

できる限り医療的介入なくお産を進める力

可能な限り自然な出産をサポートしたいという希望を持つ助産師も多いです。これは陣痛促進剤の使用を最小限に抑え、母体の自然な力を最大限に活かすことを意味します。
そのためには呼吸法やマッサージなどのテクニックを習得し、母体を励まし、安心して出産に臨めるようサポートすることが重要です。

 また、近年無痛分娩への関心が高まり、無痛分娩の件数も増加傾向にあります。無痛分娩での出産は、痛みを軽減することができるだけでなく、産婦さんの意識を集中させたり、ストレスが少ないため、出産がスムーズに進む効果があるといわれています。

しかし、その一方で麻酔に関連するリスクや副作用があるため、事前に医師の判断が必要となります。助産師は妊婦さんがメリットとデメリットの両方をきちんと理解できるかどうか確認したり、妊婦さんの不安を軽減できるようカウンセリングや心のサポートが求められます。

母乳育児の支援

   母乳育児を希望する母親をサポートすることも重要な役割です。
正しい授乳方法の指導や母乳分泌を促進するためのアドバイス、母乳トラブルへの対応など、母親が自信を持って母乳育児を続けられるよう支援することが求められます。


より広い範囲での貢献

地域における保健活動

  妊娠期や産褥期の女性の健康管理、育児相談、地域の子育て支援活動など、地域社会全体への貢献を目指したいと考えている助産師もいます。
これは助産院や保健センターなどで働く場合に特に重要な視点となります。

教育・研究活動

   助産師養成学校での教育や助産に関する研究活動を通して、次世代の助産師育成や助産技術の向上に貢献したいという志を持つ方もいます。

国際協力

 開発途上国など、医療資源が乏しい地域で助産師として活動し、女性の健康向上に貢献したいという方もいます。




特定の専門分野を極め、専門性を高める

 高次医療機関での勤務を通して、ハイリスク妊娠への対応や、新生児集中治療など、特定の専門性を深めたいという方もいるでしょう。
国際認定助産師資格 (CM) や、他の関連資格を取得し、専門性を高めることを目指すのも一つの方法です。

 これらの「やりたいこと」を実現するためには、どのようなキャリアパスを選択するか、どのようなスキルや知識を身につけるべきか、などを具体的に検討することが必要です。
将来のビジョンを明確にすることで、より充実した助産師人生を送ることができるでしょう。どのような環境で働きたいか、どのようなスキルを磨きたいかなど、まずはご自身の希望を具体的に書き出してみることをお勧めします。


では実際に就職活動を行う際に見るべきポイントを順番に紹介していきます。

職場環境

・院内の雰囲気やチームワークの良さ
・スタッフの人数と役割分担

教育・研修制度

 日本の病院における助産師の教育体制は、大きく分けて以下の要素から構成されています。

①初任者教育

・病院における導入教育
卒業後、病院に就職すると、各病院独自の導入教育プログラムを受けます。病院のシステム、マニュアル、安全管理、院内感染対策などを学びます。
また、先輩助産師による指導やOJT(On-the-Job Training)を通して、実践的なスキルと知識を向上させます。

②継続教育

・資格維持のための研修
助産師の資格を維持するためには、一定期間内の継続教育が必要とされています。
内容は、最新の医療技術、倫理、法律、災害時対応など多岐に渡ります。

・病院内研修
各病院では、専門分野を深めるための院内研修が提供されている場合があります。
例えば、特定の疾患を持つ妊産婦のケア、新生児蘇生法、母乳育児支援など、専門性を高めるための研修です。

・学会、セミナー参加
助産師会や関連学会などが主催するセミナーや講演会に参加することで、最新の知識や技術を学ぶことができます。

・e-ラーニング
近年では、オンラインでの学習機会も増加しています。
時間や場所を選ばずに学習できるため、働きながら継続教育を受けることが容易になっています。

③専門性向上のための教育

・認定看護師・専門看護師制度
特定の専門分野において高度な知識・技術を有する助産師を育成するための制度です。

大学院進学
 助産学に関する研究を行い、より高度な専門性を身につけることができます。



労働条件

・勤務時間、休日、残業の有無
・給与や福利厚生の内容


業務内容

・取り扱う分娩方法や医療サービスの種類
・妊婦や新生児に対するアプローチの違い
・分娩件数
就職活動において分娩件数を重視する理由は、その医療機関の規模や経験を積む機会の多さを示す指標となるためです。
分娩件数が多いということは、それだけ多くの妊婦さんを受け入れ、出産をサポートしていることを意味します。

そのため、以下の点が期待され、重視される傾向にあります。
豊富な臨床経験の獲得多くの症例を経験することで、様々な状況に対応できるスキルや知識が身につきます
緊急事態への対応力や、複雑な妊娠・出産への対処能力を高めることができます。

・高度な医療技術の習得
高度な医療機器や技術が導入されている可能性が高く、それらを活用した実践的なスキルを磨くことができます。

・チーム医療の経験
分娩件数が多い医療機関では、多くの医師、助産師、看護師などが連携してチーム医療を実践していることが多く、チームワークやコミュニケーション能力を高めることができます

・キャリアアップの機会
実績のある医療機関は、キャリアアップのための研修制度が充実していたり、専門医取得へのサポート体制が整っている可能性が高いです。

・安定した雇用
規模の大きい、実績のある医療機関は、経営が安定している可能性が高く、雇用の安定性も期待できます。

しかし、分娩件数だけを重視することは必ずしも良いとはいえません。

医療機関の雰囲気、教育体制、医師やスタッフの質、ワークライフバランスなども重要な要素です。
分娩件数が多い医療機関は、業務量も多い可能性があるため、自分の能力やキャリアプランと照らし合わせ、総合的に判断することが大切です。

地域性と交通アクセス

 ・通いやすい場所にあるか、交通手段の利便性
 ・地域の医療ニーズや助産所の立ち位置


働き方の柔軟性

 ・パートタイムや短時間勤務の選択肢があるか
・ワークライフバランスへの配慮


サポート体制

・新人助産師に対するサポートがあるか(プリセプター制度やチューター制度)
・精神的なサポートがあり、相談しやすい環境か


これらのポイントを考慮し、自分に合った職場を選択することが重要です。また、就職を検討している施設のインターンシップなどに積極的に参加し、実際に働く人の声を聞いたり、雰囲気を感じることも大切です。



配属先は産科病棟だけじゃないかも!?

 助産師は場合によっては産科病棟に限らず、NICU(新生児集中治療室)や一般病棟に配属されることがあります。助産師が産科病棟以外に配属される理由は、病院の体制や人員配置の都合によるケースが多いと考えられます。  

  NICUへの配属は、新生児のケアに特化した高度なスキルを持つ助産師が担当することが多く、専門的な研修や資格が必要になる場合があります。

 また、助産師が一般病棟に配属となった場合、助産師のスキルや経験を活かせる場面は限られてきます。産婦人科病棟とは異なり、産科関連の業務はほとんどなくなるでしょう。

代わりに一般病棟での看護業務全般に従事することになります。
助産師の専門知識である妊娠、分娩、産褥期のケア、新生児ケアは活かせないため、スキルや経験の活用度が低く、モチベーションの低下につながる可能性があります。さらに、一般病棟の看護師と比べて、専門性を活かせる場面が少ないため、キャリアアップの機会も限られることも考えられます。




これから助産師としての一歩を踏み出そうとしている皆さんは、夢と希望に満ち溢れていると思います。
これから実際に働いていくなかで自分が思い描くビジョンに変化が出てくることもあるでしょう。そこから新たに別の道に進むことももちろん可能です。
しかし、助産師養成学校を卒業して最初の就職先を選ぶ際に、どのような視点を持つことが重要かあらかじめ知識として持っていれば、スタートの時点で選択肢を増やすことができると思います。

この記事を読んだ皆さんが、自分に合った就職先を選択し、自分らしく活躍していけることを期待しています。


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