「もう限界かもしれない」「でも、もう少し頑張るべき?」
助産師として働く中で、転職を考える瞬間は誰にでも訪れます。しかし、今の職場を離れる決断には、迷いや不安がつきものです。特に「あと1年頑張った方がいい?」「早すぎる転職で後悔しない?」といった“タイミングの不安”は、多くの助産師が抱える共通の悩みです。この記事では、経験年数ごとに異なる転職理由や迷いに寄り添いながら、後悔しない選択をするためのヒントをお届けします。
助産師として働き始めて間もない1〜2年目は、理想と現実のギャップに直面しやすい時期です。想像以上の忙しさや、夜勤の負担、先輩からの厳しい指導、人間関係の難しさなどに心身ともに疲れ果ててしまうことも少なくありません。「こんなはずじゃなかった」と思いながら、辞めたい気持ちと、踏みとどまりたい気持ちの間で揺れ動くのがこの時期の特徴です。
この時期のよくある転職理由
メリット:
デメリット:
明確な体調不良や精神的ダメージがある場合は、我慢せず転職を検討すべきです。ただし、環境の変化に慣れるまでには誰でも時間がかかるもの。もし人間関係や業務の辛さが一時的な可能性があるなら、信頼できる先輩や外部に相談しながら、あと数ヶ月様子を見るという選択肢もあります。「逃げ」か「前向きな判断」かを見極める冷静さが大切です。
3年目に入ると、多くの助産師が一定の技術や判断力を身につけ、「一人前」として任される場面が増えてきます。そんな中で、「このまま今の職場で働き続けるべきか?」「もっと別の場所で経験を積んでみたい」といった思いが湧いてくる人も多いでしょう。自信がついてきたからこそ、今後のキャリアについて真剣に考え始めるのがこの時期です。
この時期のよくある転職理由:
メリット:
デメリット:
「もっと学びたい」「違う現場を見てみたい」といった前向きな転職理由があるなら、この時期は行動に移す好機です。ただし、何となくの飽きやモヤモヤだけで動くと、同じような壁にぶつかる可能性も。転職によって何を得たいのか、自分なりのビジョンを明確にしてから動きましょう。
5年目を迎える頃には、リーダー業務や後輩指導など、組織内での役割が増えてきます。それに伴い、「責任が重すぎて苦しい」「人を育てるより、自分の学びを深めたい」といった葛藤が生まれます。また、プライベートでも結婚や妊娠・出産を迎える人が増え、働き方やキャリアの方向性を見直すタイミングになりやすいのがこの年数です。
メリット:
デメリット:
リーダー経験や指導経験を十分積んだうえで、「これ以上は難しい」と感じるなら、次のキャリアに進む良いタイミングです。一方、管理職候補として今の職場で影響力を持てる立場でもあるため、「やりたいことが見えているか」「他の職場で何をしたいか」を明確にしないと、せっかくの経験を活かしきれない可能性があります。
10年近く助産師としてのキャリアを積んできた頃、多くの人が家庭や健康とのバランスに目を向け始めます。子育てや親の介護、管理職としての重責など、仕事と生活の両立に悩む場面も増えてきます。「このまま今の働き方を続けていいのか?」「もっと自分らしく働ける場所があるのでは?」と、自身の生き方そのものを見直したくなるのがこの時期です。
この時期のよくある転職理由:
メリット:
デメリット:
ライフステージが変わる中で、無理を重ねて働き続けることは本人にも家族にもリスクがあります。働き方を見直したい気持ちが強いなら、転職や働き方の変更に踏み切る時期かもしれません。ただし、転職によって希望の働き方が本当に実現できるかを事前にしっかり確認しましょう。条件だけでなく、自分が何を大切にしたいかを軸に考えるのがポイントです。
転職の「正解の時期」は、ありません。大切なのは、今の自分がどんな働き方を望み、どんな未来を描いているのか考えることです。
たとえ経験年数が浅くても、心身の不調が深刻であれば転職は前向きな選択です。逆に、3年・5年と働いていても、「なぜ辞めたいのか」がはっきりしないまま動き出すのは危険です。
◎すぐに転職を検討すべき人
◎一度立ち止まって考えた方がいい人
「なんとなく今の職場が合わない気がする」「このままでいいのかな…」という漠然とした違和感だけで転職を決めるのは、少し危険です。なぜなら、その“モヤモヤ”の正体をはっきりさせないまま環境を変えても、同じような悩みを繰り返す可能性があるからです。
たとえば、職場への不満が「人間関係」なのか「働き方」なのか、それとも「自分の価値観やライフステージとのズレ」なのか。自分がどんなことにストレスを感じ、どんな働き方を理想としているのかを整理することが必要です。
①頭の中だけで悩まず、紙に書き出してみる
(「不満」「理想」「自分ができること」など)または誰かに話してみる。
たとえば、こんなふうに自分に問いかけてみてください。
これは自分との小さな対話です。転職は「思いついたら即行動!」というものではありません。気持ちがはっきりしないときこそ、少しだけ立ち止まって、自分の本音を見つける時間を大切にしてみてください。それが、納得のいく転職につながる第一歩になります。
このように、自分の思考や希望を“見える化”することで、「今すぐ動くべきか」「今の職場でもう少しできることがあるか」の判断材料になります。また、気持ちや価値観の整理を行っておくことで、いざ転職を決意したときにも、ブレずに求人を比較し、自分に合った職場を見極める力がつきます。これは転職活動の成功率を高める大きなポイントです。
②助産師の先輩に相談してみる
職場の同僚や転職経験のある助産師の先輩に相談できるようであれば、自分の現状や悩み、希望するキャリアに対してアドバイスをもらうこともオススメです。しかし、身近にそのような先輩がいなかったり、同じ職場で話しづらいという場合もあるでしょう。
そのような時には、じょさんしcareerに相談してみませんか。じょさんしcarrerでは助産師が転職や希望するキャリアにあった仕事や働き方を探す相談やサポートを行っています。自身の悩みや理想とするキャリアをお聞きした上で客観的視点でアドバイスし、今本当に転職が必要なのかを整理したり、必要であれば転職をするためのサポートを行います。まずは自分が何に不満や不安を抱いているのか洗い出したり、大事にしたい自分の価値観や考えの整理をしたりするために、一度フラットな気持ちになって言葉にしてみませんか。
助産師の転職は、決して「逃げ」ではありません。
むしろ、自分の心と体、そしてこれからの人生と真剣に向き合う、前向きな選択です。
確かに、年数によって転職のメリットやリスクはあります。でもそれ以上に大切なのは、「他人のタイミング」に縛られすぎず、自分の価値観や体調、生活環境に合った判断をすることです。
今「辞めたいかも」「もっと自分らしく働ける場所はないかな」と思っているなら、それは大切なサインです。すぐに転職する必要はありません。まずは“情報を集めてみる”ことが、最初の一歩になります。
じょさんしcareerでは、助産師が一人ひとりの不安や悩みのヒアリング、相談を行っています。必ず転職を勧めるわけではなく、やりたいことや希望するキャリア、大事にしたい価値観にあったキャリアプランや就職先を一緒に考えていきます。一人ではなかなか前に進めずにいる人、ちょっと悩んでいるという段階でもまずはお気軽に相談してください。
あなたが助産師として、そしてひとりの人として、心地よく働ける場所に出会えますように。