助産師が大学院へ進学するメリットとは?費用や時間など徹底解説
- 進学
- 修士課程
- 博士課程
助産師として臨床で働くなかでさまざまな疑問や葛藤が生じたことのある方は少なくないと思います。また、助産学だけでなく、助産学に関連のある特定の分野に興味関心を持ち、学びを深めたいと感じる人もいるでしょう。一方、自身が次世代の助産師を育成したいと教育者としてのキャリアを選択する方もいます。このように、助産師が大学院への進学を希望する背景にはさまざまなきっかけがあります。
では実際に大学院へ進学する場合、修士課程と博士課程ではどのような違いがあるのでしょうか。また学びを深めるためにどのくらいの学費が必要となるでしょうか。ここからは大学院の修士課程および博士課程の特徴とそれぞれに必要となる学費について紹介していきます。
修士課程
修士課程とは、大学院において学士課程を修了した学生がさらに専門的な知識や技能を深めるためのプログラムです。
修士課程の一般的な特徴は以下の通りです。
・専門分野の学び:修士課程では特定の学問分野や専門分野に焦点を当て、より高度な知識や理解を得ることが目指されます。
・研究と実践:多くのプログラムでは、研究プロジェクトやケーススタディが重要な要素となります。場合によっては、修士論文(または修士研究)が求められることもあります。
・時間的な長さ:通常、修士課程は1年から2年程度で修了します。プログラムの内容や目的によって期間は異なることがあります。
・学位:修士課程を修了すると、修士(Master's)という学位が授与されます。通常、専門分野に応じた名称(例えば、文学修士、理学修士、工学修士など)が与えられます。
・キャリアの向上:修士課程を修了することで、専門職の資格を得たり、さらに博士課程に進学する基盤を築いたりすることが可能です。
修士課程の流れ
修士課程の流れは大学や専攻によって異なる場合がありますが、一般的には以下のようなステップが含まれます。
- 入学手続き: 修士課程に入学するための書類を提出し、必要な試験や面接を受けます
- 科目の履修: 必修科目と選択科目を履修します。多くのプログラムでは、学期ごとに一定の単位を取得しなければなりません。
- 研究テーマの選定: 学生は自分の研究テーマを決定し、指導教員と相談します
- 研究活動: 選定したテーマに基づいて、文献調査や実験、データ収集などの研究を行います。
- 修士論文の執筆: 研究結果をまとめ、修士論文を執筆します。論文の内容については指導教員の指導を受けながら進めます。
- 論文提出と審査: 完成した修士論文を提出し、審査を受けます。場合によっては口頭試問が行われることもあります。
- 卒業: 論文が認可されると、修士課程を修了し、学位が授与されます。
専門学校卒業後に修士課程へ進学するには
基本的には大学を卒業し、学士の学位を授与されていることが修士課程への出願条件になります。2年制、3年制の専門学校の場合には卒業だけでは受験資格を得られないため、大学への編入制度を利用する必要があります。大学に編入した場合は、2年で大学を卒業することが可能となります。
また、専門学校のうち、修業年限が4年以上等の要件を満たしたもので、文部科学大臣が認めた課程の修了者は、大学卒業者と同様に大学院の入学資格が得られることになっています。
博士課程
博士課程とは、大学院における最も高度な学位プログラムで、通常は修士課程を修了した後に進むことが一般的です。この課程では、専門的な研究や学問を深め、独自の研究を行い、博士論文を提出することが求められます。
主な特徴として、以下の4つが挙げられます。
- 研究活動:学生は特定のテーマや問題について独自の研究を行います。研究成果は博士論文としてまとめられ、評価されます。
- 指導教員:通常、経験豊富な教授や研究者が指導教員として付き、研究の進行をサポートします。
- 学問の深化:専門分野における理論や実践を深く理解し、新たな知見を得ることを目指します。
- 学位:博士課程を修了し、必要な要件を満たすことで「博士(Ph.D.)」の学位が授与されます。
博士課程の流れ
博士課程の流れは大学や専攻によって異なりますが、一般的な構成は以下のようになります。
- 入学手続き: 博士課程に入学するためには、通常、修士号を取得していることが必要です。入学試験や面接が行われることがあります。
- カリキュラムの履修:博士課程の初めに、専門的なコースやセミナーを履修します。これにより、研究のための基礎知識やスキルを身につけます。
- 研究テーマの決定:指導教員と相談の上、研究テーマを設定します。これは通常、入学から1年目の間に行います。
- 研究計画の策定:研究テーマが決定したら、具体的な研究計画を作成します。この計画は、データ収集や分析方法、研究のスケジュールを含みます。
- 研究の実施:実際の研究を進めます。実験、調査、文献レビューなど、様々な方法でデータを収集し、分析を行います。
- 論文執筆:研究が進むにつれて、最終的な博士論文を書き上げます。この論文は、研究の成果をまとめたもので、学位取得のための重要な要素です。
- 論文の提出と審査:完成した論文を提出し、学内外の審査員による評価を受けます。必要に応じて、口頭試問が行われることもあります。
- 学位の取得:論文が承認されると、博士号が授与されます。
主な進学先
助産師が進学できる機関、主に看護学や助産学を専門とするプログラムを提供している大学院です。以下は助産師が進学できる大学院の一例です。
- 大学院看護学研究科:多くの大学では助産学の専門コースがあり、看護学の修士課程や博士課程が設けられています。例えば、東京大学、京都大学、大阪大学などが挙げられます。
- 助産学専攻のある大学院 :一部の大学では、助産師専攻の専門プログラムが存在します。これらのプログラムでは、高度な助産技術や研究方法論について学ぶことができます。
- 地域の大学:地域にある看護系の大学院でも助産師向けの進学コースが用意されていることがあります。
実際に進学を検討する場合には、各大学のカリキュラムや入試要項を確認することをお勧めします。また実践的な経験を積む機会があるかどうかも重要なポイントであるといえます。
学費
国公立大学の場合、修士課程を修了するのに約136万円、博士課程まで進む場合は追加で190万円以上必要となります。修士課程から博士課程へ進み、5年間で修了した場合でも300万円以上かかる計算です。
また、私立の博士課程の場合は、国公立の博士課程よりも高額になる場合が多くなっています。修士課程を修了するだけでも約150〜200万円かかるため、その後博士課程まで進んだ場合は追加で200万以上かかることになり、400万円以上必要となります。
その他、通学費や出張、学会参加費など別途数十万円必要になることもあります。社会人で働きながら大学院に進学する場合には、学生自身に収入があるとみなされ、返済不要の奨学金や奨励金が使えない場合があるため、注意が必要です。
出産の場面に携わりたい、産後の女性を支えたいなど、皆さんはあらゆるきっかけで助産師という職業を選択したと思います。
しかしながら、実際に臨床で働くなかでその思いに変化が出てくることもあったのではないでしょうか。
今回の記事で紹介したように、大学院へ進学することによって、助産師としてさらに一段階進んだ知識や技術を身につけることができたり、教育者としての道に進むことに繋がります。私たち助産師は国家試験に合格するところがゴールではありません。常に学び続ける姿勢と向上心を持ち続けることが助産師としてのキャリアを考えていくなかで非常に大切であると考えます。
参考文献
文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/senshuu/1280736.htm
https://manabi-univ.com/?p=65
https://acaric.jp
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