
転職を考えたら最初にやるべきこと|助産師のための自己分析ガイド
- 転職
- 自己分析
- 1. なぜ助産師の転職に自己分析が必要なのか?
- 体験談:Aさん(28歳・総合病院勤務)
- 2. 今の職場で感じていることを整理する
- 不満だけで決めたよくある失敗例
- 3. 自分が大切にしたい“働き方の軸”を明確にする
- 体験談:Bさん(31歳・助産院勤務)
- 4. 自分の強みと課題を整理する
- 強みを言えずにアピールできなかった失敗例
- 5. これまでの経験やスキルを整理する
- 体験談:Eさん(32歳・総合病院→クリニック)
- 6. 転職の目的を“前向きな言葉”でまとめる
- 7. キャリア別・自己分析のポイント
- 1〜3年目:まずは“学びたいこと”を明確に
- 5年目前後:キャリアの方向性を見直す
- 10年目以降:ライフスタイル重視かキャリアアップか
1. なぜ助産師の転職に自己分析が必要なのか?
助産師が転職を考える理由はさまざまです。
「夜勤がしんどい」「給与を上げたい」「人間関係に疲れた」「もっとスキルを伸ばしたい」しかし不満だけで辞めてしまうと、次の職場でも同じ壁にぶつかりまた転職を繰り返すことがあります。
一方、自己分析をしっかり行うことで自分に合った働き方や転職先が見つけやすくなり、実際に就職した後のギャップを減らすことができます。また自分の中で大事にしたい価値観が定まっていると志望するキャリアがぶれにくくなり、面接や履歴書で強みがアピールしやすくなるというメリットもあります。
体験談:Aさん(28歳・総合病院勤務)
「とにかく人間関係が嫌で辞めたくて、教育体制のことなんて気にせずに転職しました。でも、次の職場は教育どころかマニュアルもなく、毎日不安で…。結局やっぱり教育がある病院にすればよかったと後悔しました。」
自己分析をすることで、「自分は何を一番大切にしたいのか」が見えてきます。
それが転職を考える際の軸となり、後悔のない選択につながります。

2. 今の職場で感じていることを整理する
転職を考えるきっかけは、多くの場合「不満」です。しかし不満に対する一時的な感情だけで転職をしてしまうと、同じことの繰り返しで転職をする可能性が高くなります。
まずは、今の職場の「良かった点」と「不満な点」を整理しましょう。
- 給与や手当
- 勤務時間・夜勤回数・勤務体制
- 休みの取りやすさ
- 人間関係
- 教育体制・研修制度
- 分娩件数や症例数
- 無痛分娩や母乳育児推進、産後ケアなど自分のやりたいケアや学びたいケアができる環境か
不満だけで決めたよくある失敗例
夜勤が辛かったから夜勤なしの外来に転職したら、給与が下がって生活が苦しくなった。夜勤が嫌なのは本当だったけど、給与を重視していたことに後から気づいた。
ポイントは、「辞めたい理由」だけじゃなく、「働く中で大事にしている要素」も見つけることです。
3. 自分が大切にしたい“働き方の軸”を明確にする
助産師の職場は、総合病院やクリニックだけではありません。助産院や企業、自治体など多様な現場でその専門資格を活かすことができます。数多くの選択肢の中で、自分にとって何が一番大事かを決めることが重要です。
よくある項目は、次の通りです。
- 給与:生活や将来設計を考えると大切
- 休みやすさ:家庭との両立や趣味に時間を使える
- 教育体制:キャリアアップを目指すなら必須
- 人間関係:働き続けるうえで最重要
- 勤務時間や夜勤回数:体力やライフスタイルに直結
体験談:Bさん(31歳・助産院勤務)
“医療介入の少ない経腟分娩をサポートしたい”という思いが強かったので、給与や勤務時間よりも理念を重視して助産院に転職。結果、やりがいを感じられて毎日楽しく働けています。
4. 自分の強みと課題を整理する
面接で必ず聞かれるのが「自己PR」や「どんな助産師になりたいですか?」という質問です。これに答えるには、自分の強みや課題を知っておくことが大切です。
強みの例
- 分娩介助件数が100件以上
- BFH勤務、IBCLCやその他の資格取得
- NICU勤務、外来勤務、婦人科等他科の経験あり
- 母親学級の企画運営
課題の例
- ハイリスクや緊急対応が弱い
- チームリーダー経験が少ない
強みを言えずにアピールできなかった失敗例
面接で『あなたの強みは?』と聞かれたのに、うまく答えられなかった。結局、“頑張ります”しか言えず落ちてしまった…。
5. これまでの経験やスキルを整理する
自己分析の中で、これまでの経験やスキルを棚卸しすることはとても大切です。
なぜなら、転職先でどんな仕事ができるか、どんな役割を担えるかを判断する材料になるからです。また、面接で「これまでどんな経験をしてきましたか?」と聞かれたときにも、自信を持って答えられます。
整理しておくべき項目
- 分娩介助件数:正常分娩・ハイリスク分娩の経験数
- 対応した症例:双胎、前置胎盤、妊娠高血圧症候群、心身に合併症のある妊婦など
- 勤務経験:外来・病棟・助産院・企業
- 得意なケア:母乳育児支援、新生児ケア、メンタルサポート
- 取得資格:NCPR、アドバンス助産師など
- 苦手なケア・経験が少ないケア:乳腺炎対応、グリーフケア、助産師外来など
実際に書き出すことで、自分の得意分野や、逆に不足しているスキルが明確になります。転職先の求人に書かれている業務内容と自分のスキルを照らし合わせて、自分がどんな現場に向いているかを洗い出してみましょう。また今まで自分がやりがいを感じた瞬間を思い出してみて、助産師としてのやりがいを感じられる働き方も探ってみましょう。
体験談:Eさん(32歳・総合病院→クリニック)
自分の経験を整理してみたら、思った以上に母乳ケアやメンタルケアの経験が多かった。“母乳外来に力を入れているクリニック”を選んだら、やりたいことと強みが一致して、すごくやりがいを感じています。
6. 転職の目的を“前向きな言葉”でまとめる
これまでの自己分析のステップを踏まえて「辞めたい理由」を「叶えたい働き方」に変換しましょう。
- NG例:「夜勤が嫌」「人間関係が嫌」
- OK例:「日勤中心で、母乳ケアに力を入れている職場で働きたい」
OK例:「ハイリスク妊婦の対応を学び、キャリアアップしたい」
言葉を変えるだけで、転職活動の印象も大きく変わります。
7. キャリア別・自己分析のポイント
助産師のキャリアは、年数によって悩みや優先したいことが変わります。ここでは年数別に自己分析で注目すべきポイントやその例を紹介します。
1〜3年目:まずは“学びたいこと”を明確に
この時期は、まだスキルや経験を積んでいる途中の人が多いです。「今の職場でどこまで学べるのか」「次の職場では何を身につけたいのか」を考えましょう。
ポイント
- 得意な業務と苦手な業務を洗い出す
- 教育体制や症例数を重視する
- キャリアの基盤づくりを優先
失敗例
夜勤がつらくてクリニックに転職したけど、症例が少なくてスキルアップできなかった。今になって総合病院に戻りたいと思っている。
5年目前後:キャリアの方向性を見直す
中堅としての役割が増える時期です。
このまま現場でスキルを伸ばすか、教育や管理に進むか、またはキャリアチェンジを考えるタイミングです。
ポイント
- 将来のキャリア像を明確にする
- ワークライフバランスをどうしたいか考える
- 専門性を深めるか、幅広く経験する
10年目以降:ライフスタイル重視かキャリアアップか
この時期は、家庭や子育てとの両立、または認定資格や開業などキャリアの新しい形を考える時期です。
ポイント
- 家庭と仕事のバランス
- 認定資格取得や独立を視野に入れるか
- 経済面とのバランスをどう取るか
転職を考えたとき、多くの人が求人検索をすると思います。しかし実際、最初にやるべきことは求人検索ではありません。「自分を知ること」なのです。
今の職場で感じていること、働き方の軸、やりがい、強みや弱みを整理することで、あなたに本当に合った職場が見えてきます。
自己分析をしない転職は、同じ悩みを繰り返すリスクがあります。
しかし、自己分析をしっかり行えば、転職は“逃げるため”ではなく助産師としてあなたをもっと引き出すステップアップとなります。焦らず、自分と向き合う時間を取ることが、助産師として長くやりがいを感じながら働くための第一歩です。
じょさんしnaviではHOT MEという自己分析を行うための講座があります。自分ひとりではなかなか自己分析が進まない人や、転職やキャリアを考える上で綿密に自己分析を行ってみたい人におすすめです。
まずは今の心にあるもやもやを言葉にしてみましょう。

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