
「子宮頸管熟化」とは、硬く閉じている子宮の入口(子宮頸管)を、分娩や処置に向けて軟らかくすることを指します。
熟化が必要になる主なケース

パンダ先輩
Bishopスコアが6点以下だと頸管熟化不良と判断するよ~
頸管が十分に熟化していないと、子宮収縮促進剤の効果が得られず分娩進行が難航するだけでなく、強い痛みや子宮頸管裂傷のリスクも高まります。そのため、子宮頸管熟化は安全でスムーズな分娩や処置のために欠かせないステップなのです。
熟化には複数の方法がありますが、臨床でよく使われるものを紹介します。
①挿入前に患者へ使用目的や方法、リスクと対応方法を説明し同意を得る
②挿入前に分娩監視装置(CTG)で児の状態を確認
③エコーで臍帯下垂がないことを確認
④メトロに滅菌水を注入し、再度胎児心拍数を確認する
滅菌水注入量が40ml以下:CTG連続モニタリングまたはドップラーなどで間欠的に胎児心拍数聴取
滅菌水注入量が41ml以上(最大150mlまで):CTG連続モニタリング
※どの種類のメトロを使用しても上記ガイドラインの基準は同じ
④メトロが脱出したら臍帯下垂・脱出がないことを速やかに確認する
(内診、エコー、CTGなど)
※メトロを挿入したまま他の促進剤を使用する場合は、挿入から最低1時間以上、CTGを装着し異常がないことを確認してから使用開始する
※臍帯脱出がある場合、原則緊急帝王切開術へ変更となる。内診で胎児の先進部を挙上したり、妊婦を骨盤高位や胸膝位にして臍帯圧迫を軽減しながら準備をする。
ミニメトロ

ミニメトロ:最大40mlまで注入可能
40ml注入したメトロが自然脱出した場合、子宮口は3cm程度の開大
ネオメトロ

ネオメトロ:最大100mlまで注入可能
100ml注入したメトロが自然脱出した場合、子宮口は5-6cmの開大
オバタメトロ

オバタメトロ:最大150mlまで注入可能
150ml注入したメトロが自然脱出した場合、子宮口は7-8cmの開大
画像引用先村中医療器 情報サイト
ラミナリア

画像引用先日本ラミナリア桿


パンダ先輩
「ラミナリア」と同じ作用と目的で使われる「ダイラパン」というものがあるよ
親水性ポリマーでできていて、ラミナリアより短い時間で頸管拡張できることが特徴だよ
形状、作用、使用目的、使用方法はダイラパンと同じですが、ダイラソフトは手で曲げて角度を調整できることが特徴です。

画像引用先製品詳細 | 村中医療器 情報サイト | 子宮頸管拡張器 ダイラソフト

画像引用先製品詳細 | 村中医療器 情報サイト | ディスポーザブル子宮頸管拡張器 ラミケンアール

パンダ先輩
ラミケンアールはディスポーザブルのヘガールみたいなものだね
このようにメトロは子宮収縮を誘発させたいとき、ラミナリアは頸管を軟らかく開大させたいときに使用します。頸管拡張を促す器具にはラミナリアの他にもいくつか種類があります。
頸管が急に開くと強い痛みを伴うことがあります。
また頸管裂傷や子宮破裂など合併症の発生リスクもあるため鑑別が必要です。
器具の圧や刺激で頸管損傷すると出血が増える場合があります。
発熱や帯下の変化、CRPの値、CTG上で児の頻脈に注意します。
施設によってメトロやラミナリアの使用中は抗生剤を使用する場合もあります。
熟化が進むと自然陣痛が始まることもあります。器具の刺激や促進剤の使用によって過強陣痛にならないように注意して観察しましょう。
臍帯下垂・脱出や過強陣痛などの合併症がある場合には、胎児機能不全の徴候があらわれることがあります。
出血や感染徴候を把握する上で重要です。定期的に計測しましょう。

子宮頸管熟化の処置は、患者さんにとっては「未知」で「痛みや不安を伴う」体験です。助産師として大切にしたいのは、処置の意味を丁寧に伝え、身体的・心理的の双方からサポートを行うことです。
身体面
心理面
医師の説明後に質問や不安の表出があった場合
具体的な処置の目的や内容、スケジュールを伝えたり、痛みに対して共感することで妊婦の不安や恐怖心を受容することが大切です。妊婦にとっても助産師にとっても安全で、かつ理想とするバースプランを実現した分娩にするためには信頼関係の構築が不可欠です。妊婦や家族の1つ1つの小さな疑問や不安に寄り添って、こまめにコミュニケーションを図りながら観察やケアを行いましょう。
メトロとラミナリアは子宮頸管熟化のための代表的な処置方法ですが、その違いや使い分けを理解し患者さんや家族にも説明できるようになることで、誘発や処置に不安を抱える妊婦への安心や信頼感につながります。
また、なぜこの方法を選ぶのか、助産師として注意することや観察すべきポイントはなにか を理解した上で処置に関わることが、より安全で質の高いケアとなります。早速臨床の中でアップデートした知識を活かしてみてください。
【参考文献】

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